墓地の現況と昔の許可図面が違うとき、まず何を調べる?
『昔から墓地として使っているが、許可図面と範囲が違う』『先代から引き継いだ書類が見つからない』。こうした場合、まず必要なのは、過去の許可内容と現在の状態を照合することです。見た目の違いだけで、必要な手続きや対応の可否は決まりません。

許可の記録と、現況を並べる
手元の許可書、当時の申請図面、変更許可書、行政とのやり取りを探します。そのうえで、土地の位置・区域、墓所や通路、納骨施設等の配置を現在の状況と比較します。書類が見つからない場合は、所管する自治体に記録の確認方法を相談します。
古い墓地は、みなし許可の根拠も確認
墓地、埋葬等に関する法律の施行時に、従前の命令に基づく都道府県知事の許可を受けて経営されていた墓地は、同法第26条により、現行法の許可を受けたものとみなされます。一般に「みなし墓地」や「みなし許可墓地」と呼ばれることがあります。ただし、古くから存在するというだけで当然にみなし許可となるわけではありません。従前の許可、当時の記録、対象区域などを確認します。
みなし許可は、従前の許可を現行法上の許可として扱う経過措置です。一度墓地となれば、区域や施設を自由に作り替えられるという意味ではありません。墓地の区域を変更する場合は同法第10条第2項の許可が問題となり、造成や施設配置の変更についても、内容に応じて自治体との事前協議、変更許可その他の法令上の手続きが必要になることがあります。
いつ、何が変わったかを確認
墓地の範囲を広げたのか、施設を設けたのか、図面の記載との違いなのかで、確認事項は変わります。工事の時期、当時の図面・写真・議事録、現在の使用状況など、分かる事実を時系列にまとめます。分からないことは分からないまま区別し、推測を確定した事実として扱わないことが大切です。すでに使用している区画がある場合は、その状況も相談時に伝えます。
所在地の自治体と、対応方法を確認
墓地の経営には許可が必要で、みなし許可墓地であっても、区域等の変更には確認すべき手続きがあります。具体的な基準や事前協議の進め方は自治体ごとに異なります。浜松市では変更許可の申請について、変更内容を示す書類などが規則で定められています。場所・構造の条件や、改葬の有無、土地利用に関する別の手続きも、案件に応じて整理します。単に図面を描き直して提出すれば解決するとは限りません。
これからの工事は、計画段階で相談
国の墓地経営・管理の指針でも、計画段階から許可権者と相談・協議を始めることが示されています。工事後に基準に合わないと分かると、対応の負担が大きくなるためです。すでに工事が終わっている場合も、経緯を整理して対応方法を検討します。ただし、事後の相談によって必ず許可を得られるとは限りません。調査・協議の内容を確認したうえで、当事務所の支援範囲と費用をご案内します。
お役立ち公式資料一覧
- 浜松市墓地、埋葬等に関する規則 第2条・第3条
- 厚生労働省『墓地、埋葬等に関する法律の概要』
- 厚生労働省『墓地経営・管理の指針等について』平成12年12月6日生衛発第1764号
- 墓地、埋葬等に関する法律 第10条・第26条
内容確認日:2026年10月31日。個別の取扱いは、法人規則・宗派の定め・所在地の自治体の最新情報を確認します。
